大容量の外付けHDDケースは、NAS代わりのバックアップ先として人気のジャンルです。今回はORICOの2ベイケースを例に、「RAIDなしの基本モデル(9828U3)」と「RAID対応モデル(9928RU3)」を比較しながら、どちらを選ぶべきか整理してみます。
ORICO 9828U3(RAIDなし)の特徴
3.5インチHDDを2台まで搭載でき、最大で44TB(22TB×2)。プッシュプル式の簡単取付けや安全ロック機能、冷却ファンを備え、USB 3.0接続で最大230MB/s前後の転送速度を実現します。価格は11,399円と手に取りやすい一方で、レビューを見ると「数日使用後にHDDのデータが壊れた」という報告も複数見られます。なお、このケース自体にRAIDコントローラーは内蔵されていませんが、2台のHDDを接続先のPCから個別のドライブとして認識できるため、Linuxのmdadmなど接続先のOS側でソフトウェアRAID(ミラーリング)を組むことは可能です。ただし設定は自分で行う必要があり、ケース側で自動的にバックアップしてくれるわけではありません。
ORICO 9928RU3(RAID対応)の特徴
基本仕様は9828U3と同じUSB 3.0接続・2ベイ構成ですが、最大の違いはケース自体にRAIDコントローラーを内蔵し、RAID0(高速化)・RAID1(ミラーリング)・JBODなど複数のディスク構成モードに対応している点です。RAID1を使えば、接続先のPCやOSに関係なく、ケース側が自動で2台のHDDに同じデータを二重に保存してくれるので、Linuxのソフトウェア設定などを自分で組む必要がありません。価格は13,999円とRAIDなしモデルより高めですが、ブラケット付きで拡張性も高めです。
2機種を比較してみると
一番の違いは「ミラーリングをケース単体でやってくれるか、自分でOS側に設定するか」です。9828U3は価格は安いものの、RAID機能がないため、そのまま使うと片方のHDDが壊れてももう一方にデータは残りません。ただしPCやRaspberry PiなどのOS側でmdadmなどのソフトウェアRAID(RAID1)を組めば、9928RU3と同様のミラーリングを実現できます(実際に自作NASでこの構成にしている方も多い方法です)。一方、9928RU3はケース自体がRAID1に対応しているため、OS側で特別な設定をしなくても、片方のHDDが故障してももう一方に同じデータが残る安心感があります。その分、実質の使える容量は半分(ミラーリング時)になる点はどちらの方法でも共通の注意点です。
こんな人には9828U3(RAIDなし)がおすすめ
Raspberry PiやLinuxサーバーに接続して、自分でmdadmなどのソフトウェアRAIDを組める人。設定の手間はかかりますが、その分安く済み、自作NAS用途との相性も良好です。すでに他の場所にバックアップを取っていて、単純な二重化の一つとして安く使いたい人にも向いています。一方で、RAID構成の知識がなく、難しい設定はしたくないという人にはおすすめしません。
こんな人には9928RU3(RAID対応)がおすすめ
写真データや仕事のファイルなど、失うと困る大切なデータを保存する人。特に、Linuxのソフトウェア設定に詳しくない、Windows/Macでそのまま手軽にミラーリング環境を組みたい人におすすめです。初期費用は上がりますが、HDDの故障は必ず起きるものと考えれば、ケース側で自動的に組んでくれるRAID1での二重化は安価な保険とも言えます。
まとめ
外付けHDDケース選びでは、容量や価格だけでなく「ミラーリングをケース側でやってくれるか、自分でOS側に設定するか」も重要なポイントです。Raspberry PiやLinuxサーバーで自分でmdadmなどのソフトウェアRAIDを組める人はRAIDなしの9828U3で十分ですし、そうした設定の知識がなくそのまま安心して使いたい人はRAID1対応の9928RU3がおすすめです。自分の環境と知識に合わせて選んでみてください。


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